国籍法改正に対する国民新党の見解
平成20年12月5日
参議院国民新党
標記については、下記の理由により反対することとする。
記
1.今回の改正国籍法の是非を判断するにあたり、今日のグローバル化、及び二極分化した現実の社会構造を直視する必要がある事は論を待たない。この観点は認知され日本国籍を取得する事となる子の人生、ならびに中長期的な我が国の国益を守るという事、双方に意義のある事である。そして本法案最大の懸案である偽装認知を防ぐ為の手段として、DNA鑑定が必須であり、法文上その旨明記する必要があると考える。
このDNA鑑定は、欧州各国が既に実施している実態、あるいは2003年のユネスコ「ヒト遺伝情報に関する国際宣言」に明記されている趣旨からも、国籍取得を目的とした父子鑑定に限定して利用される限り、決して「差別的な取扱」には当たらないと考えられるものである。
2.またDNA鑑定以外においても、父子関係を証明するに足る関係書類の添付を義務付ける等、厳正な手続きが法案中に明文化されていない現状は、認知関係手続きの事実上の「骨抜き」であり、正に立法府の瑕疵であると言わざるを得ない。本制度が届出法制である事からも、自ずと限度があるとは考えられるものの、現行の法案内容で実効性が担保されているとは思われず、我が党が賛成出来る環境には無い。
3.また仮に本改正案が施行された場合においても、近未来の我が国における認知や国籍の取得状況が想定外の事態となっている場合も含めて対応する責任が立法府にはあると考える。従って我々は本修正案には「数年後の見直し条項」が必要であると考えるものである。
4.最後に尊属殺(刑法200条)の最高裁違憲判決(昭和48年)事例に際しても、現実の刑法改正まで実に22年間も費やされている。我々は責任ある立法府の姿勢として、いたずらに法案修正を遅らせる必要は無いと考えているが、然し本法案の重要性に鑑みて、また大変激しい世論動向からも衆参共に僅か数時間の議論で意見を集約出来る状況では無く、また、生命倫理上の問題をも内包する本法案に関して、与野党の殆どが各々の構成員に対して党議拘束を課している、稚拙かつ拙速な国会運営の現状にも大いに疑義を持つものである。
以上