消えた年金問題 あなたの年金はもう消えている

谷澤先生(大阪講演会)

国民を泣かす“悪代官”政治に終止符を!
2万人による社保庁への異議申し立てを

「立証責任の転換」で年金問題は解決できる

「恥を知れ!」参考人発言に厚生労働委員会の会場が静まり返る

 衆議院の厚生労働委員会に出席したのは、いっぺんくらい死に土産で出てみてもいいかなと思ったからです。自民党からは、佐藤英善氏(早稲田大学法学学術院教授)、紀陸孝氏(日本経団連)、公明党からは井戸美枝氏(社会保険労務士)がそれぞれ参考人として出席し、私は民主党の参考人として出席しました。自民・公明の参考人3人は、社保庁を組織改革し民営化すれば効率化しすべてよくなるというような意見を述べたので、私は、どこがよくなるのか、なぜよくなるのか一切理解できません、とやってやりました。会場はシーンとなって、「こいつ何を言いだすのか?」という顔をみんなしとるわけです。そのとき、私は350人を代表して、「恥ずかしいことはしてはならない」「社保庁の長官と幹部は恥ということを知らない」と一発かましました。

本当なら“刑務所”行きの社保庁

 それから4点について述べました。一つは、5000万件の宙に浮いた記録がある。これはなぜ5000万件なのかだれも説明していない。いつからなのか?お金はどれくらいなのか?社保庁の職員に聞くと、多く見積もれば4、5兆円になるというわけです。すくなくとも2兆円はありますよ、と。その金がどこへ行ったのか?一切説明をしていないではないか。これは恥ずかしいことではないのか。国民から、月々、あるいは年ごとにお金を集めているのです。そのお金をだれが何ぼ預かったのか、全部でどれくらいあるのか、何にいくら使ったのか、会社で言えば貸借対照表、収支明細書ですよ。そんなのは社保庁にあるはずでしょう。柳沢厚生労働大臣は、それをどうして出さないのですか?そんなことをしていて、口先だけで改革、改革といっても、魂がはいっていないではないか。ついでにいらんことまで言いました。「私の言うことに文句があるなら言うてみなさい」と。だれも文句は言いませんでしたけどね。いま社保庁が集めた年金資金は150兆円あると言われておりますが、私はそんなにはないと思っています。せいぜい50兆円くらいではないか。グリーンピアに投資し、厚生施設に使い、挙句は株に投資をしているわけです。リスクの高い投資に年金資金を運用しているのは全世界で日本くらいです。アメリカでしたら、株に投資しただけで、担当者は刑務所行きですよ。年金資金は国民から預かった大切な金であるから、それをリスクの高い投資に運用してはならない、ということが決められています。何に金を使い、擂ったお金はいくらなのかを明らかにしないというのは、極めて異常なことだと思います。

「立証責任はすべて社保庁」に中田横浜市長も賛同

 二つ目は、社保庁が国民に領収書の提示を求めるのはおかしいということです。社保庁が全部の記録を保持しているのが当たり前ではないですか。それを、国民に領収書を持ってこない限り年金を払わないというのは、こんな馬鹿なことがありますか、あんたら恥ずかしくないのか、といってやりました。みなさん、預金通帳にはいついついくら金が入ったというのは全部記載されているし、その通帳を持っていけば残っている金はいつでも引き出せます。仮に通帳をなくしても再発行の手続きをしたらいつでもお金をおろせます。これがまともな運営です。なぜ、社保庁にはそれができない?国民の年金を預かって、それを運用して、支給すると、国民に幸せな老後を約束して、政府は昭和34年に国民年金を開始したはずです。年金を集めるのも、運用するのも、支給するのも、全部「お前の責任ではないか」。
 三つ目に、さきほどお話しましたAさんの話をしました。文句を言うだけならだれでも言えます。私は、解決策も示しました。それは「立証責任の転換」ということであります。加入者はいつ、どこに住んでいるときに、国民年金に加入しました、それから、どこそこで保険金を払っている、ということだけを言えばいい。あなたは、そのとき入院していて、あるいはお金がなくて、保険料を払っていないということは、社保庁が立証しなさい。社保庁が立証できなかったら、全部加入者の利益に配慮して年金は払ったものとして、全部片をつけましょう。これが、私が言う「立証責任の転換」であります。これは、私が無茶苦茶なことを言っているわけではありません。判例にあります。せっかくですから、この判例を覚えて帰っていってください。医療過誤事件というのがありました。これは昭和43年ですから、医者の過失を立証できずに原告(患者)は敗訴しています。ところが、偉い裁判官がおりまして、患者が病気でひっくりかえっとる、手術室は密室である、その中で医者の過失を立証するのは難しい、したがって、患者はどうもおかしなことをされたらしいと主張するだけでいい、むしろ医者の側に、この人はこういう症状でこういう手術が必要でこういう手術をしました、ということを証明する義務があるという判例が出てきており、最近では6割から7割くらい患者側が勝利する例が出てきました。これが「立証責任の転換」です。この方法を使えば、安倍さんのように1年で調べるなどとしょうもないことを言わなくとも、7割がたは解決がつきます。これに対して、最近、横浜市長の中田さんが、私の意見に賛成してくれております。私は最終的な解決はこれしかないと思っております。

悔い改めない社保庁は解体せよ!

 最後に、社保庁の改革案です。非公務員型の特殊法人を作るという自公の案は、うまくいかないと思っています。非公務員型の組織を作るといますが、給料は国から払うわけです。それにかかる費用(事務・管理費)は年金から払うわけです。情報開示請求をやっても個人情報保護法案などを盾に国会といえども手をつけられないことになります。これに対して、民主党案は、国税庁に社保庁を吸収させようというものです。集める方法は、国税庁にはノウハウがないので、歳入庁というものをつくります。国民年金をもらいながら税金を払っている人が全国で大体350万人、それから会社で厚生年金を払っている事業所が合わせて160万事業所、そうすると国民年金、厚生年金を払う人の7、8割がこれに入ります。そうすると、徴収漏れというものがなくなります。社保庁と違って、税務署はきちんとしています。私は評価しています。次に、使う方法です。私は集めるのと、使うのが、一緒であってはならないと考えています。これは分けたほうがいい。民主党案はそういうことも主張しています。
 私は「性善説」ですが、社保庁という組織は「性悪説」だと思います。厳重に管理監督しなければ、どんな悪いことをするか分からない。なぜ社保庁が「性悪説」というのか、みなさんお分かりですか?厚生労働委員会では、社保庁に対して、保険料の徴収、年金資金の運用を適正にやるように過去6回も決議しています。これを、議員のみなさんに聞いても、だれも知らない。6回も決議しているということはよほど悪いことをやっているということでしょう。6回の決議にもかかわらず、社保庁の連中は少しも改めていない。改めていない結果が、グリーンピアであり、厚生施設。社保庁が使ったお金が6兆4千億円です。庶民から預かった金を無駄に使いながら、庶民には領収書がないからと支払いをしない。こんなことを平気でやる社保庁を許すことができないし、だから「性悪説」だというのです。私の意見にうなずいてくれる先生方もいらっしゃいました。政府がだらしない、歴代首相がだらしない。厚生労働大臣もだらしない。社保庁の長官もだらしない。みんなよーけ金をとって、退職してからも「止まり木」(天下り先)を「渡り」歩いて、退職金を2億円も3億円ももらっている。国民はたかだか30万円40万円の年金をあてにその日暮らしをしている。痛みも感じない。苦しみもわからない。恥を知るべきです。議員の先生も困っている国民のための政治を考えてもらわないと困ります。

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