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その中の極端な例を1つ2つご紹介したいと思います。
一つは、78歳になって、西宮で不動産業を営んでいる男性です。テレビでごらんになったことがあるかもしれません。厚生年金をずっと払っておられましたが、途中国民年金に代わり、それからまた厚生年金に代わりました。この人の場合、もらう年金が少ないと気づいて調べたら、昭和24年と昭和25年の19ヵ月分が未払いだとなっておりました。もともと運送会社に勤めて、給料から天引きされていたにもかかわらず、社保庁は「領収書をもってこい」という。しかし、この人は、兵庫の明石から大阪の社会保険事務所まで十いくつ全部を自分でこつこつ探して周るほど、私も頭が下がる「しつこい」人です。いまから11年くらい前に、引越しの際に運送会社の給料明細書がでてきました。これをもって社保庁に行きました。社保庁はどう言うたと思いますか?みなさん、想像つきますか?「それは会社がAさんから厚生年金費用を天引きしているけども、その会社が社保庁に払ったという証拠にはなりません」と。二枚舌もいいところ、開いた口がふさがらないとはこういうことを言うのでしょう。そうこうしているうちに、西宮で同じ名前の人が納めていたということが判明。ところが、その人はあられ屋さんに勤めていた人ですけど、実在していないことが分かりました。そこで社保庁もAさんが収めていたらしいということをしぶしぶ認めました。Aさんはもう一度再審査請求を起こして、勝ちました。Aさんは「勝った、勝った」と報告に来ましたが、私は「あんた、まだ喜ぶのは早い。金を払わんためにはどんな理屈を考え出すか分からないところや」と言いました。すると、私の言い分が当たっていました。
4ヵ月ほど待たせた挙句、社保庁は「時効にかかっている」と……。こんな馬鹿なこと、許せますか?24年、25年の記録が社保庁にしっかりあれば、11年前から年金をもらっていたわけです。Aさんは、再審査請求を起こして勝ったわけです。時効というのはそこから成立するものです。社保庁は、さんざん悪いことをやっておきながら、その「罪」をおおい隠すために「時効」という理屈を言い立てているだけです。安倍総理は「5年の時効にかかった人は救済する」と言ってますが、嘘です。社保庁はAさんが払っていたことを認めたわけです。にもかかわらず、「時効」を言い立てたうえで、今度は「救済」するというのは、そもそもインチキな理屈です。Aさんの裁判は証人調べがあって8月に結審しますが、私は勝つと思っています。この裁判にはちょっと仕掛けをしてあります。これだけ社保庁にいじめられてきましたので、慰謝料をよこせと言います。この裁判で勝ち取って、年金問題で苦しめられている多くの人に夢と希望をもってほしいと思っています。逆に、社保庁には、谷澤のような奴がでてきて何をするか分からない、こんな不毛な争いをしたら大変だと思い知らせたいと考えてます。
二つ目は、もらっている年金に比べると、どうも保険料が高すぎるというケースです。これは社保庁のミスで他人様の10倍の金を払わされていたことが判明しました。返してくれというても、返してくれない。国民年金の場合、取りすぎた保険料を返さなければならないという規定はありませんというわけです。行政裁判という別途裁判を起こしてください、というわけですが、これもけしからん話です。また、しばらく納付していなかったから、5年分まとめて払った際に領収書をくれと要求すると、窓口では領収書は渡せないという。あるお祖母ちゃんによると、納付された保険料が職員の飲み代に代わったという話を窓口で聞いたという話しもあります。話し出せば、明日の朝までかかっても話しきれません。ことほど左様に、社保庁がいい加減だということです。
いま、年金の納付記録や社保庁とのやりとりなどを文書にしてくれと頼んでいる人が80人くらいいます。その中で、審査請求、Aさんみたいに裁判をやっている人が大体20人くらい。しかし、何年にどこに住んでいたのか、領収書もはっきり分からない人はけっこう多い。やはり、お年ですからね。大抵70、80歳です。少々ぼけかかっているから「よう分からない」と諦める人がほとんどです。それから、手続きするのに多少お金が要ります。私はボランティアと決めていますから、費用は取りませんが、社会保険労務士さんが書類を作るのに1万円かかりますから、その「1万円だけ払うてよ」といっても、その1万円が払えない人がいます。わずかな年金で暮らし、勝てるかどうか分からない裁判をやるということになれば、いま1万円でも払うのはしんどいというわけです。私は、安倍総理も柳沢厚生労働大臣も、この事実が分からないと思います。この気持ちが分かれば、もっと温かい政治ができるはずです。
5月22日の厚生労働委員会で、私はこの1万円のお金で困っている人がたくさんいるんですよという話をしたら、自民党の議員たちがにたにた笑うわけです。あんまり腹が立ったものだから、「あんた、これが笑える話か?」と言ってやりました。