政策特集-④郵政改革法案をめぐるQ&A

 

Q1.改革法案の「三社案」と「四社案」とはどのように違うのか。
A1.図表1(経営形態)をご覧ください。
 「三社案」は、持株会社、郵便事業会社、局会社の3社を合併し、ゆうちょ銀行、かんぽ生命と併せた3社体制に改める案です。
 これは、郵政民営化に伴う分社化により郵便局の現場で生じた弊害(例;郵便外務員が配達途中に貯金を預れない等)を解決すると共に、共通部門の重複、意思決定プロセスの複雑化など経営面での分社化ロスを解消するものです。
  一方、報じられている「四社案」は、郵便事業会社、局会社の2社を合併し、持株会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命と併せた4社体制に改める案です。「三社案」では、持株会社が郵便、郵便局窓口の業務を併せて行うことなり、経営の合理化や透明性の確保が不十分となるのではないかとの懸念から、持株会社を合併の対象から外すこととしているものと考えられます。
 

 Q2. 四社案の場合、郵便外務員は金融2社の業務を実施できるのか。三事業一体の復元を進める上で支障はないか。
A2. 郵便外務員が配達途中に貯金を預れない、郵便外務員とゆうちょ銀行やかんぽ生命職員との総合担務が実施できない、あるいは不在持ち戻り郵便の窓口交付や再配達処理の複雑化等の問題は、郵便集配の業務と外務営業を含めた金融窓口の業務が別会社で行われていることによるものです。報じられている「四社案」により、事業会社、局会社の2社が合併すれば、これらの業務が同一会社としての許認可等に基づいて行われることとなり、郵便外務員が配達途中に貯金を預る等の取扱も可能となります。
図表1(経営形態)の5社(現行)では一番下の点線矢印は郵便事業会社とは繫がっておりません。このため、郵便事業会社は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の仕事はできないこととなります。一方、四社案では、郵便事業会社とつながっており、両社の仕事はできることとなります。


Q3.郵政の株式売却の規模はどの程度となるのか。

A3.株式の価値は、その時点での市場の評価や株式市場の動向によるものであり、現時点で売却額を見積もることはできませんが、NTT株やJT株売却の経験からすると、相当に大規模なものになると期待できます。
 図2(郵政の総資産評価額)をご覧ください、直近の決算による日本郵政株式会社の連結総資産の額(仮に現時点で解散すると仮定した場合の価値)は約10.2兆円です。
 

Q4.東日本大震災復興のための財源として活用するとのことであるが、詳しく説明して欲しい。
 A4. 先の臨時国会で成立した「東日本大震災に対処するために必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律」により、日本郵政株式会社の株式の売却は、大震災(福島原発を含む)の復旧・復興のための復興債の償還財源に充てることとされております(同法附則第14条)。復興債の償還財源としては、長期の増税が予定されておりますが、郵政株の売却が順調に進めば、この増税幅は減額できることとなり大震災の復旧・復興に大きく貢献できることとなります。


Q5.政府保有株と親会社所有株はどの程度売却できると考えているのか。
 A5.改革法案では、政府保有株、親会社保有株ともに3分の1超の保有が義務付けられています。これは、定款変更など会社の重要な決議に3分の2以上の賛成が必要とされていることから、3分の1超を常時保有することにより、ユニバーサルサービスに支障をきたすような定款変更に対する拒否権を確保することが、可能となることに基づくものです。逆に、これら保有義務分を除く株式については、政府及び親会社の判断により処分することが可能です。


Q6.金融2社(ゆうちょ銀行、かんぽ生命)に対する上乗せ規制は、現在どのようになっているのか。
 A6.現在の郵政民営化法では、持株会社が金融2社株式の全部を処分するまでの間、政令で定める限度額、新規業務に対する認可(郵政民営化委員会の意見を聴くことが必要)の上乗せ規制が設けられています。
 一方、改革法案では、政令で定める限度額についての規制、また、政府による持株会社株式の保有比率、持株会社による金融2社株式の保有比率がともに2分の1以下となるまでの間、新規業務に対する届出制(基準に適合しない場合、所管大臣による勧告(郵政改革推進委員会の意見を聴く必要)の制度あり)の上乗せ規制が設けられています。


Q7.いわゆる政府保証と上乗せ規制との関係をどのように考えているのか
A7.郵政民営化後にお預かりした貯金、保険は、郵政公社以前のものと異なり、国の保証がありません。仮に破綻したとしても、他の銀行、保険会社と同じペイオフ等の破綻法制が適用され、いわゆる暗黙の政府保証なるものも存在しません。しかしながら、ゆうちょ銀行、かんぽ生命が国営事業として国の信用の下に営まれてきた公社の資産を承継した経緯、政府の間接出資が継続すること、中小・地域金融機関の経営に与える影響等を考慮し、銀行法・保険業法の規制とは別に上乗せ規制を講ずることとされているものです。
  しかし、ゆうちょ銀行、かんぽ生命は、日本郵政株式会社に課された金融ユニバーサル義務を履行するため、相当な経費負担をしているところであり、これに加えて上乗せ規制を続けることは、健全な事業経営を阻害するものとして、改革法案の提案となったものです。

 

 
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