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コラム
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焦るほどに民心離れる政権かな
ひと昔前、マーフィーの法則なるものが大流行した。「急いでいるときに限って忘れ物をする」「買ったばかりの車をぶつける」といったようなことだ。運命の皮肉だといってもよい。最近の安倍首相をみていると、このマーフィーの法則を思い出さずにはいられない。あまりにも空回り、いや逆効果が目立つからだ。参議院選挙を間近に控え、何とか支持率を押し上げたい気持ちは痛いほどわかる。選挙で敗北を喫すれば、たちまち針のむしろに座らされるからだ。だからアノ手コノ手で実績をつくろうと躍起になっている▲だが、弱り目に祟り目の喩えではないが、どうもすべてが裏目に出ている。思えば昨年、佐田行革担当相の事務所費問題が表面化したとき、安倍首相は迷わず更迭したが、むしろ任命責任を問われる結果となった。本間税調会長のスキャンダルに際しては、逆に同氏を守ろうとして墓穴を掘った。松岡農相の場合も同じである。さんざん庇ってきたものの、それがかえって災いしたようだ。「お坊ちゃま」のことを英語では「銀のスプーンをくわえて生まれてきた子」などというが、修羅場を潜ってないから判断を誤ることが多い▲国会審議においても然りである。安倍首相は社会保険庁改革と公務員制度改革を、今国会の最大の目玉に据えてきた。だが、前者に取り組もうとした途端、例の年金支給漏れが一気に噴出し、国民から猛烈な批判を浴びている。実績づくりのための強行採決も、完全に裏目に出た。後者をめぐっては、政府与党内にでさえ軋みと不協和音がある。時間も足りない。強行採決をしようにも、参議院の内閣委員長には民主党議員が座っている▲そんなこんなで、安倍内閣の支持率は過去最低を記録している。メディアによっては、すでに30%にまで落ち込んでいるという。だから安倍首相の頭の中は不安と焦燥感でいっぱいだが、先進国首脳会議出席のため、今はドイツのハイリゲンダムにいる。「正攻法で努力するのみ」と力説して無理に笑みを浮かべるが、揉んであげたくなるほど肩に力が入っている。安倍首相も、そして官邸の方々もまだお気づきではないのだろうか。参議院選挙を意識して焦れば焦るほど、そして力めば力むほど、国民の心はさらに離れていくことを。
(平成19年6月6日)
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