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コラム
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これが「美しい国」の精神か
もはや単なる失言や放言とはいえまい。去る28日、柳沢厚生労働相は女性を「子供を産む機械・装置」だと言い放った。耳を疑う発言だ。柳沢氏は直ぐにみずからの発言を撤回・謝罪し、安倍首相も不問に付すようだが、謝って済むような問題ではない。表現や喩えには、その人の思想・哲学が表れる。何十回、いや何百回謝ってみても、柳沢氏の思想は変わるまい。安倍首相が柳沢氏の思想を否定するのであれば、直ぐに更迭するのが筋だろう▲今回の発言は、かつての堀江貴文氏の暴言を彷彿させる。そう、「女性の心はカネで買える」との暴言だ。自民党はその堀江氏を一昨年の衆院総選挙で、事実上の公認候補として担ぎ出し、全面支援を展開した。武部幹事長(当時)に至っては、「わが弟、わが息子」といって二人三脚で応援した。そして当時の官房長官は、他ならぬ安倍氏が務めていた。その時も、そして今回も、安倍氏は蔑視発言を真っ向から否定しない▲堀江発言や柳沢発言への対応を踏まえると、どうも安倍氏本人にも女性蔑視の思想があるといえなくもない。さらにいえば、小泉内閣も安倍内閣も、人を機械やモノのように捉えている。異議を唱える者たちに「抵抗勢力」のレッテルを貼り、「刺客」を放って政治生命を奪おうとする。のみならず、参院選挙での苦戦が予想されると、追い出した者たちを復党させ、今度は「刺客」たちを100円ライターのように使い捨てにしようとする。このような姿勢で教育再生を唱えるとは、お釈迦様もビックリだ▲厚労相が女性を「子供を産む機械」だと言ってのけ、首相がそれを許す国は、間違いなく世界の物笑いになる。のみならず、日本の男たちもそのような前近代的な見方をしているのではないか、といった間違ったメッセージまで送ることになりかねない。安倍内閣の支持率が低下しても、痛くも痒くもない。いや、むしろ歓迎すべきことだ。しかし、女性蔑視が日本人男性全体の価値観だと思われては、それこそ国益を大きく損ねる。「美しい国」などと唱える前に、まずは目先の火事を消すことこそ喫緊の課題ではないか。
(平成19年1月31日)
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