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コラム
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新総理は「しっかり」がお好き
先週の火曜日、安倍新内閣が発足した。「論功内閣」などと皮肉られるように、総裁選で手柄を立てた者が目立つ。真に「適材適所」の人事なら、違った陣容になっていたはずだ。マスコミ各社の世論調査では、内閣支持率は7割前後だが、安倍氏個人のイメージが先行しているためだろう。だから、今後の政策を十分に見極める必要がある。綿貫代表が「まずはお手並み拝見」と言ったのも、このためだ▲組閣の後、安倍首相による初の記者会見が行われた。恐らく必死に原稿を暗記してきたのだろう。だが、揚げ足をとるわけではないが、安倍氏の発言を聞けば聞くほど、同氏の「ボキャ貧」を痛感する。たとえば安倍氏は言葉に窮すると、「しっかり」を連発する。よほど「しっかり」が好きなのかもしれない。さらに「ちゃんと」や「次第であります」も口癖のようだ。中学校の生徒会長ならいざ知らず、一国の総理なのだから、ほんの少しでもいいから格調の高さが望まれる▲金曜日に行われた所信表明演説の方は、まさに原稿の棒読みだった。カタカナ混じりのスローガンが並べられ、眠気を誘う口調・内容だ。それに対し、夏の甲子園を沸かせた「ハンカチ王子」こと早稲田実業の齋藤佑樹投手。安倍氏とは親子ほどの年齢差だが、彼の記者会見は、オバサマたちならずとも、大いに関心させられた。普段は「今どきの若者は…」と嘆いているオジサンたちも、「なかなかやるじゃないか」と唸ったほどだ。比較したら悪いかもしれないが、発する言葉の重みという点では、齋藤投手に軍配が上がる▲さぁ、いよいよ国会論戦である。代表質問の答弁は予め用意されているから、安倍氏も無難に乗り越えられよう。問題は一問一答形式の委員会質疑の方だ。党首討論会だって待っている。いずれも原稿の丸暗記・棒読みだけでは対応しきれまい。前首相のように「人生いろいろ」とはぐらかされても困るが、一国の総理らしい格調高い答弁が期待される。発言内容を十分に吟味し、小泉政治とどこが違うのか、どこが同じなのかを検証することはもちろん大事だ。だが、安倍氏がどのくらい「しっかり」が好きなのかを確かめているのも、悪くはないだろう。
(平成18年10月4日)
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