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コラム
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無責任きわまるキツネの逃亡
予想通りというか、まさにシナリオ通り、安倍氏が自民党の新しい総裁に選出された。来週の火曜日には、新内閣が発足する。だから、これからの1週間、新聞紙面はもっぱら人事の話で埋めつくされる。だが、この火事場騒ぎの中で永田町から「逃亡」する者がいる。いわずと知れた竹中平蔵氏だ。総務相のみならず参院議員も辞職し、政界から抜け出すのだという。これに対し、野党のみならず、与党の中からも厳しい批判の声があがっている。無責任な辞職は、彼に投票した72万人の有権者への背信行為でもある▲竹中氏は「小泉内閣の終焉をもって政治の世界における役割は終わる」と歌舞伎がかったことを言ってのけた。だが、額面通りに受け取るわけにはいかない。永田町では、「安倍政権で干されるからだ」「一兵卒としての雑巾がけに耐えられないからだ」「平議員ではプライドが許さないからだ」、さらに「議員を辞めた方が講演料や顧問料を稼げるからだ」といった見方が有力。中には「ヒルズ族に絡むスキャンダルが理由だろう」といった指摘もある▲確かに竹中氏をめぐっては、さまざまなスキャンダルが噂されてきた。インサイダー取引の疑いが報じられたこともある。さらに、市場原理主義を絶賛し、すさまじい格差社会をもたらした張本人でもある。だから、新執行部にとっても、竹中氏の辞職は、まさに願ったり叶ったりだろう。竹中氏をスケープゴートに仕立てれば、小泉改革の負の部分を拭い去るパフォーマンスにも役立つ。トカゲの尻尾切りというわけだ。偶然か必然か、安倍氏と竹中氏の利害は見事に一致する▲しかし、思い入れと思いつきの改革に明け暮れ、地方と国民を切り捨て、国を破壊してきたA級戦犯が自己都合で「逃亡」することは断じて許されない。参議院に残り、みずからの失政の数々に政治家として責任を負うことこそ義務だろう。小泉内閣と運命をともにするのであれば、そもそも2年前の参院選挙に出馬すべきではなかったはずだ。さらに、参院議員が単なる「腰かけ」だったのなら、現職議員にも失礼な話だ。「虎の威を借る狐」のまま逃げ出せば、「無責任」「卑怯」の謗りは永遠に付きまとうだろう。やはり生きざまは人間の本質を映し出すものなのかもしれない。
(平成18年9月20日)
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