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コラム
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たかが参議院、されど参議院
中高生の教科書を紐解くまでもなく、わが国は衆議院と参議院から成る二院制を採用している。憲法では、首相の指名や予算の議決、条約の承認で「衆議院の優越」が認められている。それに加え、任期満了前に解散があり、民意をより的確に反映することから、衆議院の方が参議院よりも上位に位置づけられている、と考えられがちだ。確かにこれまでの内閣総理大臣は、すべて衆議院議員だったし、閣僚の7割近くも衆議院議員で占められている▲しかし、実際の機能を見てみると、「衆議院の優越」事項などを除けば、衆参両院はまったく対等だ。諸外国では、それぞれの院の構成原理を変え、異なった機能を与えることは珍しくない。だが、わが国の場合、両院の機能は世界でも珍しいほど酷似している。しばしば「衆議院のカーボンコピー」「ミニ衆議院」と揶揄されてきたが、これらを裏返せば、それだけ参議院の機能が強いということだ。「衆議院は絶対多数で再議決できるではないか」という者もいるが、そのようなことは絵空事にすぎない▲野党が参議院で過半数を制すれば、政府提出の法案はことごとく否決され、政権は立ち行かなくなる。自民党が単独で衆議院の安定多数を制しているにもかかわらず、公明党と連立を組み、やすやすとその要求を呑むのも、参議院で多数を保っていたいからだ。まさに背に腹は替えられないといったところだろう。さらにいえば、「強い第二院」だからこそ、これまで参院選挙で敗北を喫し、退陣を強いられた政権の例が少なくない▲来年の夏には参院選挙がある。すでに逆風をひしひしと感じはじめている自民党は、復党をほのめかしながら、離党組の協力を得ようと懸命だ。節操もヘチマもあったものではなく、情けなささえ感じられる。だが、国民新党は選りすぐりの候補者を擁立し、参議院で自公政権を過半数割れに追い込むために堂々と邁進する。かつて「参議院を制する者は政権を制する」といわれたが、来年の今頃、この名言は再び信憑性を帯びるだろう。たかが参議院、されど参議院―言いえて妙である。
(平成18年8月9日)
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