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コラム
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手土産の中身は「国民の健康」
折り詰めを片手に帰宅したことのあるお父さんは、少なくない。中身がすき焼き用の牛肉ともなれば、お父さんはたちまち英雄となる。ついに小泉首相は「牛肉輸入再開」の手土産をもって訪米する。まるで英雄になろうとするお父さんだ。証拠捏造によるイラク戦争の非が世界中で鳴らされ、支持率の最低記録を更新している大統領にとって、はるばる手土産を提げての訪問は、まさに「熱烈歓迎」だ。国賓扱いなんて安いもの、帰りには、特別機に積み込めないほど、アメリカン・ビーフを土産に持たせてくれるだろう▲しかし、単に首相が大統領に褒めてもらいたいから輸入再開に踏み切るのは、いかがなものか。世論調査でも、国民の大半は大きな不安を抱いている。かつてイラクへの自衛隊派遣に際し、「世論がいつも正しいとは限らない」と言い放った小泉首相のことである。たとえ国民の生命・健康に関わる問題であっても、今回も世論軽視、いや無視のようだ▲小泉首相は国会でも十分に議論したというが、そのような形跡は無に等しい。再開にあたっての本格的な議論をする前に、国会は閉会となり、首相は会期の延長を避けたではないか。さらにいえば、わずか2ヶ月前、食品安全委員会の委員の半数が「結論ありき」の審議に抗議して辞任している。これで議論を尽くしたと言っては、お釈迦様もビックリだ。まぁ、小泉首相のことである。国民の食の安全を憂えて辞任した専門家たちも、彼にとっては「抵抗勢力」なのだろう▲日米関係は日本外交の基軸であり、定期的な首脳会談は不可欠だ。それは間違いない。だが、国民の生命・健康を犠牲にしてまで、手土産は必要なのか。あまつさえ、北朝鮮が不穏な動きを見せ、米国や韓国などで緊張が高まっている今、果たして夏休み気分で「外遊」に出かけることが国益に適っているのかどうか。首相の「趣味」で訪れるというグレースランド(故エルビス・プレスリーの旧邸)も、その費用は国民の貴重な税金から支出されている。ブッシュ大統領によるお褒めの言葉も、指して意味のない外遊も、明らかに国民の犠牲の上に成り立つ。これこそ、まさに「ローマン・ホリデー」(ローマの休日)に他ならない。
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