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コラム
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『ローマの休日』と小泉政治
オードリー・ヘップバーン主演の『ローマの休日』は、今でも世界の名画に数えられる。この映画に触発され、実際にローマを訪れた人も少なくない。しかし、この題名(Roman Holiday)の元々の意味を知る人は必ずしも多くはない。かつて古代ローマでは、皇帝は奴隷や捕虜などを戦わせ、それを観ながら休日を楽しんでいたという。そこから転じ、Roman Holidayとは「他人の犠牲において楽しむ娯楽や休日」といった意味を有する。映画を思い起こせば、その元意を理解することは、さして難しくない▲最近、しばしば新聞紙面に「バブルを上回る景気」「持続は4年4ヶ月」といった見出しが躍る。確かに大手企業などでは記録的な業績を更新し、高価なブランド品も飛ぶように売れているという。だが、景気の回復を国民があまねく実感しているのかといえば、そうではない。かつてわが国では国民の9割がみずからを「中流」に位置づけ、経済が上げ潮の時も下げ潮の時も、国民が均しくそれを実感した▲しかし、今日の富は明らかに偏在し、「持つ者」と「持たざる者」に二極分化している。あまつさえ、その「持つ者」は一握りであって、多くの国民にとっては、まさに「働けど働けど わが暮らし楽にならざり」の心境だ。だから政府が公表する統計や指数とは裏腹に、世論調査では大多数の国民が「格差が拡がっている」と答える。にもかかわらず、医療費をはじめ、新たな負担は確実に国民に押し寄せている。これではまるで「生かさぬように、殺さぬように」の再来だ▲小さくても国民が均しくパイを分け合うのではなく、「勝ち組」にますます儲けさせ、国全体の経済を牽引させる構図こそ、小泉改革の「成果」かもしれない。もちろん、「持つ者」や「勝ち組」たちの努力は認めてよい。だが、○○ヒルズでの華やかな生活の背景に、多くの国民の汗と犠牲、地道な努力があるといえなくもない。しかしながら、衆議院の圧倒的多数を占める与党は、その国民の声なき声に一向に耳を傾けない。映画そのものは、王女が帰国するシーンで幕が下りるが、現実の『ローマの休日』はいったいいつまで続くのだろうか。
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